寂れた日記

曇り後

明けたのか

猥雑な夜の喧騒に包まれる正月、なんてものは無く、いつも通りの寂寞の街。

生き損なった一年は後ろに消え、死に損なう一年が前に立つ。明けた明けたと聞こえるが、未だ日は登らず光も見えない。正月は来るものじゃなく、迎えるものだったっけ。なら、迎える準備をしていない人の所には来ないのか。

今年もこの長い夜が明ける気配はない。明けない夜はきっとある、それが恐ろしいやら悔しいやら。この夜が明ける事だけに期待して、一年を生き抜きたい。